財産分与の名義変更

財産分与を行った後に、譲り受けた不動産などの財産の名義を変更する必要があります。
この変更の手続きのことを、「所有権移転登記」と言います。

この登記手続きは離婚が成立した日以降にしか行うことができませんから、離婚前の段階では登記することはできません。
この登記の手続きを怠ってしまうと、後々トラブルの元になることがあります。

例えば、妻側が財産分与で不動産を取得していたとしても、夫の名義のままであると、夫が勝手に他人にその不動産を売り付けてしまい、
不動産を取得することができなくなってしまうということがあります。
口約束だけでなく、登記を行って確実に所有権を取得する必要があるというわけです。

名義変更を行うには、相手に印鑑をもらったり、書類を用意してもらったりと、協力してもらわなくてはならないことが多いです。
もしも相手と連絡がとれなくなってしまった場合、手続きを継続することができなくなってしまいます。

また、この財産分与の登記には、期限というものは存在しませんが、財産分与の請求自体は離婚成立してから2年以内と決まっているため、
そういったことを考慮しても、トラブル防止のためにも早い段階で手続きを行った方が良いと言えるでしょう。

財産分与で不動産を譲る人に用意してもらう書類は主に3点です。
印鑑証明書、固定資産評価証明書、権利証書もしくは登記識別情報です。
譲り受ける側が用意する書類は、主に2点で、住民票と戸籍謄本もしくは離婚届受理証明書になります。
これらは市役所で全て発行できるので、相手にもお願いをして速やかに用意してもらうようにしましょう。

これだけ用意しておけば、司法書士に依頼して代わりに名義変更手続きを依頼することも可能です。
手続きがよくわからないという人や忙しい人は利用してみてもいいかもしれませんね。

注意しなければならないのが、対象となる不動産にローンが残っている場合です。
勝手に所有権移転登記をしてしまうと、ローンの債権者の契約に違反してしまう場合がありますから、
事前に借入先に承諾を得る必要があります。

また、所有権が変わっても、ローン債権者までは勝手に変更になりません。
ですから、ローンの支払者を変更する場合は、債務者変更の登記も一緒に行う必要があるのです。
保証人などの兼ね合いもありますから、ローンが残っているという場合には、専門家に相談されることをオススメします。